株式会社デューン



 
●製品開発コンセプト
高性能サスペンション「ジオラマ・シリーズ」に、エポックメーキングな一台が新たに加わりました。新型テラノ用コンプリートキットの登場です。シリーズ中で初めてモノコックボディーとなったシャーシなど、クロカン4×4としてだけでなく、SUVの素材として高い可能性を示した新型テラノ。その完成度を極限まで高めるために「ジオラマ」も最高度の性能を追求、革新的な中身はもちろん、ゴールドの新塗装を採用して外観からもイメージを一新しました。これまで市販のサスペンションが達成できなかった多くの「不可能」を新しい概念で打破した常識破りのゴールドスプリングです。では、どれほどの常識を破り去ったのか、ここにその非常識な事実を並べてみましょう。
●非常識その@ 【乗り心地がすごくいいんです】
一見、当たり前の事実です。確かにノーマルのテラノのように、柔らかいバネを組込んでおけばそれなりに良くなるものです。ただ、腰のないソフト志向なだけですが。対してジオラマサスペンションのスプリングは結構硬いものを採用しています。これでカーブが続いても同乗者が車に酔うことのないシャキッとした乗り味を確保しています。そのうえで、一切硬さを感じさせない優しい乗り心地も実現しているのです。
●非常識そのA 【操縦性が抜群なんです】
これも車のカタログなどによく登場する言葉です。テラノのカタログにもこんなセリフがありました。でも、柔らかいバネを採用しながら、シャープな走りを実現することはかなり難しいことです。ジオラマサスペンションは柔らかい乗り心地でありながら、クイックななかに安定感のあるハンドリングをも両立させたのです。
●非常識そのB 【ショックアブソーバーはノーマルです】
テラノのノーマルショックの減衰力はとても弱いものです。バネが柔らかいことは先に出ましたが、実はショックもクロカン4×4には似つかわしくないヘロヘロぶりです。旧型が採用していたショックの方がよほどしっかりしていました。しかし、当社はこのショックを基準として開発に入り、見事にカチッとしたサスペンションヘと昇化させました。普通なら先に「ショック交換!」と叫ぶ状況なのです。
●非常識そのC 【真のオールラウンダー】
ジオラマサスペンションは山から街まで最高のパフォーマンスを示すオールラウンダーサスです。ところがノーマルは山や街では使えても、高速道路は苦手。フロントを支点にピッチングが発生するのです。それに比べてジオラマサスペンションは80km/hから上の速度域がもう一つおいしさを増します。しかも無茶苦茶においしい世界へと。何も犠牲にしなくていいなんて、これまでの常識にはないはずです。
●非常識そのD 【リフトアップなのに運動性能もアップ】
クロカン4×4にもかかわらず、新型は旧型よりも全長・ホイールベース・リアのオーバーハングが伸ばされました。おかげでデパーチャーアングルも31°が28°へと退化しています。
そこでジオラマサスペンションは5cm程リフトアップ。これで各アングルやクリアランスの問題も解決です。デパーチャーアングルも28°から32°ヘと大幅に向上させました。ただ、通常は重心位置が上がると運動性は悪化するものです。ジオラマサスペンションは足元を固めて運動性を向上させたうえで、1輪あたりの輪荷重を最大限に活用することでストローク量も稼ぎ、クロカン能力も十分に向上させました。
●各アングルの比較
●旧型
 アプローチ・アングル:35°
 ランプブレークオーバー:28°
 デパーチャー・アングル:31°
●新型
 アプローチ・アングル:36°
 ランプブレークオーバー:28°
 デパーチャー・アングル:28°
●ジオラマ
 アプローチ・アングル:37°
 ランプブレークオーバー:30°
 デパーチャー・アングル:32°
●非常識そのE 【後席は前席と違う】
ジオラマ・テラノの後席はまるで「サルーン」の乗り心地です。ノーマルのようなピッチングもなければ、不快なショックも一切ありません。対して前席はスポーティーな味付けとしていますので、車の挙動がつかみやすく感じられるはずです。乗員の座る位置に応じて乗車フィールの演出も変える。これはジオラマサスペンションだけの常識です。
●非常識そのF 【弱いショックに1.9倍のバネ定数】
ノーマルのスプリングは4本まとめて10.2kg/mmのバネレートです。対してジオラマは約1.9倍に上げられています。もともと弱いショックにこのバネレートを組み合わすことは、常識ではガチガチのアンバランスとなります。しかし、実際にはしっかり感のあるソフト志向。当社独自の「バネの減衰効果」という理論(別記)を用いることで、初めて成立する組み合わせです。

1本1本のバネ定数が重要になるこの理論では、それらのデータを「社外秘」としてお伝えすることはできません。そこで全体のイメージをつかんで頂けるように「4本の総合バネ定数」として表記しています。

以上、主な非常識が並びましたが、今回これほどの常識を打破しなければならなかったそもそものきっかけをお伝えしましょう。

新型テラノのフロントには、ストラットタイプが新採用され、当社も早速開発に入りました。ソフトなノーマルをどう変身させるかとショックアブソーバーの減衰力をチェックしたところ、その数値のあまりの小ささに開発スタッフ全員が衝撃を受けました。「このままではとても使えない」。データ以上に実走行がそれを物語っていたのです。ここにその減衰力を新型、旧型で比較してみましょう。
●新型/旧型減衰力比較表
新型 減衰力
(Kg/30cm・sec)
旧型
フロント リア フロント リア
(伸/圧) (伸/圧) 2WAYタイプ (伸/圧) (伸/圧)
175/86 160/44 HARD 352/165 155/73
100/52 95/20 SOFT 295/91 110/45
この状況を打破するため採用したのが「バネの固有振動数による減衰(又は相殺)効果発生理論」という当社独自の理論です。簡単に言えば、スプリングやシャーシは走行中衝撃を受けて振動を起こすのですが、この時互いが発生する固有振動どうしをぶつけ合わせて衝撃を打ち消す理論です。つまり車が揺れることで、自らその揺れを止めてしまう効果です。
この理論はこれまでのジオラマやG.T.MASTERの両シリーズで採用してきた手法で、当社にすれば特に目新しいものではありません。ただ、新型テラノの場合、旧型から飛躍的にボディ剛性が向上したのにもかかわらず、ショックアブソーバーの容量は大幅に減少していたのです。そこで従来以上の役目をバネに課すことにしたのです。
結果的にその成果は、さらに新しいテラノを生み出したかのような劇的な変身として結実しました。

●ジオラマサスペンションの装着にかかわらず、テラノをお乗り頂く上でのご注意
新型テラノのフロントストラットの一部に問題があることをお伝えします。ここで対象となるのはリミテッド・グレードが採用しているガス式2WAYショックです。このショックは伸び側のバンプストッパーが不完全な為、ストラット伸びきり時に「ゴンッ!」と強烈な音がします。従って激しい凹凸を高速で走行すると、ガスが抜ける可能性があります。
もちろんジオラマサスペンションではノーマルより発生の度合を軽減することはできましたが、「ゼロ」にはできません。
なによりメーカーの設計段階からの欠陥ですから、どうしようもありません。走行にあたってはご注意下さい。この場合の対策としては、フロントのストラットのみをリミテッドグレード以外が採用している純正の1WAYタイプ(オイル式)ショックに交換することで解決できます。
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